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暗闇と液体生物と私

久々に村のお話を進めます。
線画自体は以前途中で投げて未完成のままだったものを引っ張ってきました。
・・・今の絵と比べても大差ない・・・レベル上がってないのがモロバレです。
gifアニメ&差分も久々に作りました。
今回の更新はどちらかといえばこちらが本体です。文章はおまけです。
DLは↓から
ttp://www1.axfc.net/uploader/Ne/so/122549
pass:liquidstone




「今日はちょっと変わったものを紹介するわね」
エルコはそう言うと、屋敷の地下へと案内してくれた。
この屋敷は、外見からは想像も出来ないほど中が広かったが、さらに地下まであるという。
その地下も、どうやら思っていた以上に広いらしい。これもエルコの持つ魔法のような何かだろうか。
実際に、ここでは現実的には説明のつかない事柄が多すぎるし、
石像収集方法もどうも自分の理解を超えている。
それならば多少の空間の大きさの違和感くらい、今更どうということはないのだ。
あなたは気にしないことにして、この広い地下の通路を歩いて行った。

「着いたわ、ここよ」
同じような風景が続いた先のとある一室、ドアを開けると部屋の端の方に何かが見えた。
それは人の半分ほどの高さか、しかし部屋の中は薄暗くてよく見えない。
エルコが明かりを貸してくれた。部屋が良く見渡せるようになり、その正体が良く見えた。

20111127liquid15.jpg

それは四つん這いになった状態に良く似ている、人の形をした石膏のような塊。
地面には同じように石膏のような白っぽいものが広範囲にわたり覆っている。
・・・この塊、元は人間なのだろう。そうでなければエルコは運んでこない。

「ふふ、何となく分かったような、という顔してるわね」
エルコはニヤニヤしながらこちらの顔を覗きこんでくる。
いつものようにあなたは軽く頷くと、エルコは待ってましたと言わんばかりに解説を始める。
「これはね、冒険者の一人よ。そしてこの部屋はダンジョンの一部なの」
「石膏のようなこれは、石化能力を持った粘度の高い液体状の魔法生物よ」
「冒険者は罠の解除に失敗して、転移魔法でこの液体の生息する部屋に飛ばされたの」
「逃げようと思ったけど出口が見当たらない、部屋は薄暗くてよく見えない」
「そんな中この液体状の生物はこちらに向かってゆっくり向かってくる・・・」



「どうしようか」・・・この探索能力に長けた冒険者は考えていた。
トラップを解除し損ねて1人転移されてしまうとはまだまだ未熟だと思っていた。
残された仲間も心配だったが、まずは自分もこの部屋から脱出しなければならない。
辺りを見渡すと、さほど広い空間ではなく、四方を壁に囲まれている。
出入り口らしいものは見当たらない。
天井も地面もそれらしいものはなく、ランタンの火がなければほぼ真っ暗な部屋だ。

「なにここ・・・これじゃ出られないじゃない・・・?」
転移罠用の部屋だとすれば手の込んだことをする。
このまま脱出できずに死ぬのを待つか、それとも悪趣味な何かが起きるのか・・・

どうやら後者のようである、しばらくすると壁から白っぽい液体が染み出してきた。
ドロドロと落ちてくるところを見ると、粘度がありそうだ。
そしてこの液体は意志があるかのように、こちらにまっすぐ向かってきている。

わざわざ罠で飛ばした部屋で出てくるのだ、うかつに触れるのは危険だ。
液状である、武器は通じないかもしれない。かといって自分には魔法も使えない。
この手のものには火だろう、とランタンの火をたいまつに灯し、投げてみる。
液体の一部が蒸発する。しかしこの程度の火では、多量の液体には大きな効果はないようだ。
こちらに向かっていた液体はたいまつに一斉に降りかかり、火を消す。

効果ないか・・・と思うのも束の間、たいまつの棒が再び姿を現した時、
木の棒らしからぬ重みのある音でゴロゴロ、と転がった。
「・・・!?」
よく見ると色も灰色に変色している。
「これは・・・石になったの・・・?」
どうやらこの液体状の生物は石化能力を持っているらしい。

攻撃は通じない、逃げ場はない、触れてもいけない。万事休すだと思い、やけで短剣を投げつける。
たいまつの時と同じく、液体はしばらく短剣に群がり、石化し、またこちらに向かってくる。
(これは・・・物を投げれば時間稼ぎくらいにはなる?今のうちに出口を探さないと!)
きっとどこかに脱出口はある、そう信じて身につけていた物を液体に次々投げつけていった。
携帯食料、地図、ベルト、、胸当て・・・予備の短剣・・・・・・そして次々に石化されていく道具。
(まだ脱出法は見つからない、早く・・・!)
道具は全部投げてしまった、あとは装備品だけだ。
防具まで・・・と思ったが、命には代えられない。防具も急いで脱いで投げつけた。
ここまで来ると恥も外聞もない、どうせ密室なのだと下着すら犠牲にし、全裸となった。
それら全てを石化してもなお満足はしなかったようだ、液体はじわりじわりと冒険者に近づいていく。


結局脱出法は見つからなかった。冷静に考えると罠なのだ。
最初から出口など存在しなかったのだ。
もはや身に着けているものなど何もない。残された手段も何もない。
この液体を退ける方法がない以上、ここでただ石にされるのを待つのみなのだ。
もはや諦めの境地だったが、じわじわ寄ってくる液体への恐怖も耐え難い。
こちらの心境など関係なく、ゆっくりゆっくり寄ってくる。
最後までとっておいたランタンもついに液体に飲み込まれ、辺りはもう完全に暗闇である。


20111127liquid01.jpg
何も見えない、最後に見えた時は、すぐ足元まで液体は来ていた。
やがて冷たい感触が足先に触れ、これから石にされる恐怖とその冷たさから身体は強張る。
じわじわと下半身から覆うように、ゆっくりと身体を侵食してくる。
何も見えないが、液体の触れたところからだんだん感覚が消えていくのが分かった。

20111127liquid06.jpg
暗闇の中長い時間をかけ、少しずつ、しかし確実に石にされていく。
恐怖は既に通り越し、何も感じない。
むしろ液体の冷たさと感覚の消えていく感じが心地よくすら感じる。

やがて、すっかり全身を包まれてしまったようだ、完全に石になるのも時間の問題だろう。
完全に石となった時、それは死んだも同然なのか、それとも元に戻れるのか、
それすらもわからないが、ただ一つ、万一仲間が見つけてくれた時は全裸で石化している自分を見て
どう思うのだろうな、といらぬ心配をしたのだった。




「ちなみに彼女の仲間はとうとう彼女を見つけることはできなかったわ」
「だから、もったいないから私が頂いてきちゃったのよ」
「ちゃんと有効活用しないとね」

「という経緯なのだけれどね」
「この液体生物は本来なら取り込んだ相手を石化したらすぐに離れていく性質なのだけれど」
「なぜか取り込んだまま一緒に固まっちゃって」
「これじゃ中が見れないのよ」
あなたもそこが気になっていた。確かにこれでは顔すら見れない。

「そこで用意したのがこちらです」
あなた「!?」
そこにはあの塊の中にあるはずの女性冒険者の石像がそっくりそのまま抜け出ていた。
後ろを振り向くとやはりあの塊がしっかり残ってる。

20111127liquid16.jpg
「ほら、このまま塊を見て色々中を想像するのも楽しいけど」
「やっぱり中身もみたいじゃない?」
「だから溶かして中身出して」
「それから、固まった外側もあまり見ない例だから元に戻したの」
エルコは嬉しそうに綺麗に固まっている石像を撫でている。
「みて、なかなかの美人よ!そこそこ探索に慣れて来た辺りだったようね」
「やっぱり慣れた辺りが一番怖いのよね~、こんな罠にはまっちゃうなんて」
「それにしてもこのポーズで固まっちゃうなんてわかってるわよね」
「この背中から腰にかけてのラインが・・・(略」


エルコの鑑賞会恒例の解説が延々と始まる。
あなたは(すごいなあ、なんでもありだなあ、溶かして戻すなんてさすが器用だなあ)と
開いた口を塞ぐことも忘れ、目の前の石像と、石膏のような塊を交互に見続けるのだった。

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コメント

No title

すみません! 以前「固体少女」さんに投稿されたアルルの石化アニメはないのでしょうか?
できればダウンロード抜きで掲載してくださるとありがたいのですが、どうでしょうか?
無理そうならあきらめます。

Re: No title

>ミツルギさん
返信遅くなりましてすみません。
アルルを待っていてくださったようで、ありがとうございます。
実はアルルは再掲載予定でした。ちょっとごたごたしてるうちに
作業が止まってましたが、近いうちに掲載したいと思います。
もう少々お待ちいただければ幸いです。

しかし、容量の都合でgifアニメだけはDLの形になってしまうことはご了承ください。
サイズ制限がなければ普通に置きたいのですけどね。
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